2015/03/18
長い夜におすすめのDVD・映画~『鍵泥棒のメソッド』
今回ご紹介する映画は、2012年公開の『鍵泥棒のメソッド』です。 本作品は2013年日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞しています。 出演は堺雅人さん、香川照之さん、広末涼子さんと、 大変、非常に豪華なキャストとなっています。 このキャスティングだけで大いに期待感が高まります。
そして監督はあの、内田けんじさんです。
内田けんじさんは『運命じゃない人』で大きな注目を浴びました。 この作品はカンヌ国際映画祭フランス作家協会賞(脚本賞)他3冠に輝いています。 さらに国内でもキネマ旬報日本映画脚本賞他数多の賞に輝いています。 『運命じゃない人』も本作と併せてぜひご覧頂きたいと思います。
内田けんじ監督の作品はとにかく『構成が見事!』の一言につきます。
どの作品も時間軸の操作、時制の入れ替え、組み換えの技が冴えわたっています。 見ていたもの、信じていたものがすべて覆されるあっと驚くような展開に舌を巻き、 どんどん引き込まれていきます。 和製タランティーノと言うと語弊があるでしょうか、そのくらい見事な脚本です。 しかも、ただ構成がトリッキーなだけではありません。 どの作品も、登場人物一人一人が大変緻密に描かれています。 キャラクターの奇抜さが巧みな台詞遣いと相まって 最初大笑いするのですが、徐々に彼らの背景が明らかにされていき、 思わず感情移入せずにはいられなくなるという魅力を持っています。 本作でも広末涼子さん演じる雑誌編集長の水嶋香苗 (この名前もかなりトリッキーかつ危ういですね)が、 結婚相手もいないのにいきなり2ヶ月後に結婚すると宣言し、 編集部員を巻き込んでいくというとんでもないトップシーンから始まります。 最初の最初から一気にひきつけられます。 もちろんこの突飛な行動にもきちんとした理由があり、 のちに観ていたものすべてが香苗の思いを理解し、滂沱する事となるのです。 と、筆者のつまらない解説など野暮になるくらい、とにかく最高に面白い映画です! 騙されたと思ってぜひ観てください。 あまり書くとネタバレになってしまいますが、 このお話かなり乱暴にまとめれば『王様と乞食』の話です。 堺雅人さん演じる売れない貧乏役者、桜井武史と 香川照之さん演じる羽振りのいい、謎の男コンドウが ふとしたきっかけに入れ替わります。 そこに香苗がどのようにからんでくるのか、二人の男の運命はどうなるのか、 思い出すだけで胸躍るのですが、そこはDVDを観て確認してみてくださいね。 年度末でお疲れ気味の皆さんも、この映画を見れば疲れがスカッと吹き飛ぶこと間違いないでしょう。 爽快感溢れる非日常をこの映画で味わってみてはいかがでしょうか?
donchan
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