知ってるようで知らない目のせかい ⑥視野|fumu2[フムフム]

2015/11/13

知ってるようで知らない目のせかい ⑥視野

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視野というのは、1点を見つめている状態で認識できる視界の範囲をいいます。
しかし、臨床的には見える見えないという範囲の広さのみでなく、その範囲内の見え方(感度)も重要とされています。そのため、「視野は視覚の感度分布である」と定義されています。
視野のなかのある1点に視標を提示し、その輝度を変えていくと、それより暗いと認識できないという輝度があり、それを閾値といいます。そして、この閾値は視野の部位により異なり、各部位の閾値(視覚感度分布)を調べることで、量的な広がりを把握できます。これを量的視野といいます。 ・視覚感度分布
よく視野は盲目の海に浮かぶ島に例えられます(視覚の島)。正常な視野では中心部(網膜の中心窩という最も視力のよい部での視野)で最も感度が高く、周辺にしたがって感度が落ちていきます。また、中心から耳側約15°の位置に直径約5°の視野欠損がみられます(マリオット盲点)。これは眼底における視神経乳頭の部分に相当するためであり、誰にでもある盲点です。
・視野の広さ
正常な視野の広さは、上方60°・下方70°・外方(耳側)100°・内方(鼻側)60°が目安とされています。 眼に入ってきた光は、まず角膜で屈折され、瞳孔→水晶体→硝子体と通過したのち、光の受容体である網膜の視細胞を刺激します。その視細胞から受けた視覚刺激は双極細胞を経て、網膜神経節細胞に達します。 神経節細胞から出た神経繊維は収束して視神経となり、左右眼合わせて2本の視神経は視交叉で一度一体になったのち、視索とよばれる2本の束に分かれます。この視交叉では、左右の視神経繊維のうち、網膜の鼻側からきた繊維は交差しますが、耳側からの繊維は交差せず同側に向かいます。さらに、鼻側からの神経繊維のうち、下側網膜由来のものは視交叉の前方で交差するのに対し、上側網膜由来のものは視交叉の後方で交差します。 視索の中を走る神経繊維は外側膝状体に達し、外側膝状体を出た神経繊維は視放線となり、大脳後頭葉の視覚野へと達して初めて視覚を生じます。これらの視覚伝導の経路を総称して視覚路といいます。この視覚路のいずれかが障害されればその部位に相当する視野欠損が生じます。そのため、眼の疾患のみならず、頭蓋内疾患も視野障害の原因になることもあります。

次回は、視野障害の原因疾患の代表とも言える緑内障についてお話します。

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