2015/11/14
世界で最も注目を集める現代アートの展覧会
日本では、横浜トリエンナーレをはじめとする大きな規模でのアート祭が定番になってきました。 その走りとなったのがBiennale di Venezia(以下ヴェネツィア・ビエンナーレ)なんです。 アート好きであれば一生に一度は見に行ってみたいお祭りではないでしょうか。 今回は、美しきイタリアの街を舞台に行われる芸術祭「ヴェネツィア・ビエンナーレ」をご紹介します。
出典: https://www.flickr.com/photos/johnreynoldsphotography/21315994552/
ヴェネツィア・ビエンナーレは1895年から続く歴史ある現代美術の祭典です。 会場はイタリアの水の都、ヴェネツィア。 ビエンナーレとは「2年に一度」を指すイタリア語で、毎回2年に一度、 奇数年の6月頃から11月頃まで開催されています。 まるで万博やオリンピックのように、国家代表として選出されたアーティストたちの作品が一堂に介します。 参加する各国独自のパビリオンをはじめ、ヴェネツィア市内の公園や建物が展示会場に変身します。
出典: https://www.flickr.com/photos/112078056@N07/19556553455/
参加各国は、それぞれの国内からコミッショナーと呼ばれる展示の企画者と代表アーティストを選び、 自国のパビリオンで作品を展示します。 その中から金獅子賞(優秀賞)が選ばれます。金獅子賞という響きに聞き覚えがあるかもしれません。 毎年ショーレースが世界のトップニュースに上がる、あのヴェネツィア国際映画祭も 実はこのヴェネツィア・ビエンナーレの芸術祭の一部なんです。 ビエンナーレはアート部門のみならず、映画、建築、音楽、演劇、舞踊というジャンルを擁します。 すべての芸術を讃えるために開催されるお祭りと言えるでしょう。
出典: https://www.flickr.com/photos/dalbera/18121821219/
日本館は、吉阪隆正の設計によって1956年に完成しました。 以降、毎回選りすぐりの日本を代表するアーティストの作品が展示されています。 今年は、塩田千春さんが日本代表として選出されました。作品タイトルは「掌の鍵」。 赤い糸が張り巡らされた先には色々な形の無数の「鍵」が18万本もぶら下がっています。 その下には2隻の船。船から伸びた記憶の糸はまるで血管のようにも人々をつなぐ縁のようにも見えます。 真っ赤な糸の空間はかなりのインパクトがあり、作品をただ眺めているだけで、 まるでその糸が自分の潜在意識と繋がり、何かを語りかけてくるかのようです。
出典: https://www.flickr.com/photos/alfaltendorf/20444568489/
広場や波止場にも巨大なオブジェがドン!と置かれていたり、 室内展示では、空間そのものを生かした作品が多く、 その場を訪れることで自分も作品の一部になったような気分を味わえます。 ただでさえ美しいヴェネツィアの街並みを現代アートが彩り、より華やかに街が輝きを放ちます。 いつものヴェネツィアとは違った風景を楽しめるのは、このビエンナーレの時期のみ。 特別な時間を過ごせますよ。
出典: https://www.flickr.com/photos/alfaltendorf/20008974154
展示のテーマによって毎回ガラリと雰囲気が変わるヴェネツィア・ビエンナーレ。 一つ一つの作品が訴えかけてくる「何か」を通して自分と対峙する時間には、 きっと多くの感覚を得られるはずです。
美しい風景と現代アートの祭典で、新しい自分に出会えるかもしれませんね。
Lizhi
執筆を依頼する