2015/06/11
「焙煎屋が語る、裏ワザ・雑学コーヒー論!」第5回:100円土なべで自家焙煎コーヒーができる?
私は自家焙煎コーヒー豆店を営んでいる者です。
コーヒー好きなら誰もが一度はあこがれる自家焙煎。
けれど「焙煎機は高いし…、技術的にも難しい…」 となるとなかなか手を出しにくいものですよね。 そこでご提案したいのが100円ショップの土鍋でする自家焙煎です。
100円土なべ 小さめの木べら アルミ製のザル なべつかみ(軍手) 生豆
ドライヤー(冷風)またはうちわ
の6つだけです。 ※生豆はネット通販や、焙煎豆屋さんに相談して入手してみてください。 さて、やり方です。
①50g程度の生豆を計り、不純物(ゴミ、石など)を取り除きます。 ②土なべをごく弱火にかけ、温めます。(温度計がある場合は160℃~くらいが目安) ③生豆を投入し、木べらでかきまぜます。(温度計がある場合は1分毎に計測するとよい) ④豆の温度や、色をたよりに、静かなハゼ音(パチパチ音)に変わったあたりで落としどころを探ります。 ⑤好みの焙煎度合になったらすばやくザルにあけ、うちわやドライヤーの冷風を当て冷まします。 (焙煎時間は火力や豆の量にもよりますが、15~25分ほどを目安にしてください)
⑥冷めたら、焦げた豆などをはじいてできあがり。
(注意事項) ※土鍋は使用後すぐに水などを入れると割れやすいので注意してください。 ※焙煎した豆は200℃以上の高温になりますので、やけどにご注意ください。 ※冷却の際使用するざるなども、プラスチックなど溶けやすい素材のものは使用しないでください。 ちょっと難しく感じてしまったでしょうか? そんな方のために、これだけを守って欲しい大事なコツをひとことで…。
「欲張らずに少なめの生豆で、ごく弱火で20分!」
これだけは守って、トライしてみてください。 そして、100円の土鍋は耐熱ではないので、ひびわれしやすく長くは持ちませんが、 お試し焙煎としてはやりやすい道具の一つかと思います。 正直に言います。 「この方法で誰でも簡単に成功できる!」とまでは保証できません…。
でも十分に美味しい、やきたてコーヒーを味わうことが可能です!
何を隠そう筆者が幾度となく失敗を積み重ね、試行錯誤、改良につぐ改良によって今があります。 最初は失敗も多いかもしれませんが、あきらめずに自家焙煎の楽しさや難しさにふれてみて欲しいのです。
かなりコーヒー豆の見方が変わってくると思います!
誰でも自家焙煎を体験することによって、 プロの技の巧みさや、コーヒーの奥深さに気づくことができるのではないでしょうか。 そして何より、コーヒーの香りに包まれた最高のスローライフ的な空間?を楽しむことができるはず、
と焙煎屋的には思うわけです。
donabecoffee
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