2015/09/09
本当のアメリカンコーヒーはうすいだけじゃない!?
私は自家焙煎コーヒー豆店を営んでいる者です。 かつて、昔ながらの喫茶店では、 各主産地のストレートコーヒーはもちろん、 その店のブレンドやストロング…
そしてたいてい「アメリカン」というメニューがありました。
一般的にやや味がうすくて、一回りカップが大きく量が多めだというのが特徴。 最近は「アメリカ―ノ」という「エスプレッソのお湯割り」の方がなじみがあるのでしょうか? 以前、筆者が働いていた喫茶店の「アメリカン」は、ブレンドに一定量のお湯を足したり、 ブレンドと同じ量の豆で、一定量多くドリップしたりして提供していました。 いわゆる「さっぱり目におとしたコーヒー」という形です。
でも実は、本当の「アメリカンコーヒー」というのはそれだけではないのです!
もちろん「アメリカンコーヒー」の由来は諸説あります。 でも、いわゆるアメリカの西部劇でイメージされるような、 野外でのローストし、キャンプでパーコレーターで煮出すように淹れたコーヒー、 おそらくこれがスタンダードだったのではないでしょうか。 以上の条件でどんなコーヒーができるかを想像しますと… おそらく火を通しきらない浅煎りの豆で、 かつ煮出すことでやや酸化の進んだコーヒーの味になりやすかったのでは、 と考えられます。 つまり、
「浅煎り豆で、やや酸味のあるコーヒー」
こそが本来のアメリカンコーヒーだったのではないでしょうか。 数年前からエスプレッソやカフェラテなどに代表されるような、深煎り系の濃いコーヒーが流行し、 現在は「サードウェーブ」と言われるような、酸味系コーヒーの人気も高まっています。 ある意味で、「アメリカンコーヒー」の味は、時代を先どっていたのかも?
と焙煎屋的には思うわけです。
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