記録的に早い梅雨明けで、6日の東京は30℃を超える真夏日となりました。女性はもちろん、男性にも大人気になっているのが、日傘です。より涼しく過ごすため、日傘の効果についてもお伝えします。
「去年の6倍売れ!」、「○○が2割減少」、「日傘を選ぶコツは」、以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。
■“男性も日傘”デパートでは大人気
6日の関東地方は変わりやすい天気という予報でしたが、朝から急に晴れて、日が差しました。街でも「日傘を手放せない」という声がありました。
60代
「外に出るときは、常に差すようにしています。紫外線対策で。ずいぶんクールダウンして感じます」
50代
「(体感温度が)違います」
50代
「何年か前のと買ったばっかりのは、機能が全然違う。良くなってる!」
20代
「数年前と比べると、男性も差しはじめてるのかな。たまに『それっていいの?』みたいな、若干興味わいてるのかなという人はいます」
松屋銀座では、梅雨明けと猛暑により、例年より約1か月前倒しで「日傘セール」を開始しました。6月は昨年比で3倍、7月は6日時点で昨年比6倍の売り上げということで、日傘は大変な人気になっているということです。
松屋銀座・婦人雑貨係 伊勢田京平専任係長
「本当に暑いというところで、より遮熱効果、熱を遮る効果が高い日傘をお求めになる方が多いのかなと思います。男性の方も、普通に日傘をお探しに来ることは増えたのかなと思います」
松屋銀座の男性用傘売り場では、日傘の売り上げが、7月の5日間だけで、昨年7月1か月分の2倍となったそうです。ビジネスマン、夫婦で奥さんに勧められてという人、お孫さんに日傘をという人もいたそうです。
最近、遮熱タイプの日傘が売れている中、銀座松屋の担当者も「日を遮るだけではなく、熱を遮る“遮熱効果”のある傘が売れている」と話していました。日傘の裏地がコーティングされているため、太陽の熱が体に当たるのを効果的に防ぐということです。
■「遮熱タイプの日傘は汗の量が17.3%減少」環境省が実験
日傘は、どのくらい熱を防ぐのでしょうか。環境省は、人工太陽の下に「帽子」「通常の日傘」「遮熱タイプの日傘」を着用したり差したりして歩いているところをサーモグラフィーで確認する実験を行いました。
「帽子」の場合、頭頂部に熱い部分が集中しているのがわかります。
「普通の日傘」の場合、多少、遮っていますが、頭の部分は熱くなっています。
「遮熱タイプの日傘」の場合、日傘が熱くなり、頭や体に熱が届くのを防いでいることわかります。
この実験で、帽子だけの場合と比較すると、遮熱タイプの日傘は差している人の汗の量が17.3%減少することがわかりました。
■「日傘で熱中症リスク軽減」専門家が指摘
日傘の効果を研究している大同大学の渡邊慎一教授によると、日傘を差すと、熱中症予防の目安となる「WBGT」(暑さ指数)を平均1.8、最大2.9減少させることができたそうです。
暑さ指数の4段階のレベルに当てはめると、「厳重警戒」を「警戒」に、「警戒」を「注意」に、それぞれリスクを軽減することができるということです。
渡邊教授は、「日傘を持ち歩くということは、陰が欲しい時に、自分の意思で陰を作ること。『日陰を持ち歩いている』と言っていいのではないか」と説明していました。
■「日傘の選び方」傘ソムリエが紹介
数多くある日傘の中で、どのような日傘を選べばいいのでしょうか。豊富な傘の知識を持つ“傘ソムリエ”・土屋博勇喜さんに聞きました。
大切なのは機能面です。「遮光」・「遮熱」・「UVカット99%」の3つの機能が揃っている日傘が望ましいとしています。こういった機能は必ずタグに表示があるので、最初にチェックしましょう。この3つの機能が満たされた場合、色やデザインで効果が変わることはありませんので、後は自分の好みで選べばいいということです。
特に涼しさを追求したい場合、表はシルバー・裏は黒でコーティングされた日傘は、光や熱をはね返し、光を通さない効果が高いため、非常に涼しく、おすすめということです。
土屋さんによると、最近のトレンドは「ユニセックス」です。以前は白や黒のレースなど多くありましたが、最近は男女どちらでも使いやすい色、ボーダー、ドット柄などのデザインが人気ということです。
もう1つのトレンドは、「全天候型」です。晴雨兼用で、強い風雨にも耐えられる樹脂製の骨組みの日傘や、はっ水・遮熱効果が両方備わった日傘など、1本でオールウェザーに対応できるタイプが、特に男性を中心に人気ということです。
◇
今年は梅雨明けも早く、熱中症への警戒を長期間続けることになりそうです。“持ち歩ける日陰”日傘をうまく利用して、リスクを下げることをおすすめします。
(2022年7月6日放送「news every.」より)
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